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2013年10月11日金曜日

地元の方に取材してみよう! 多良公民館「聞き書き講座」のご案内

こんばんは~♪
毎日 なんでこんなに暑いんでしょうね。
まるで、このところ、真夏の暑さです。
せっかく秋物出したのに、出番がありません。

ところで、今日は11月から3回にわたり開催する多良公民館の「聞き書き講座」のご案内です。
聞き書きとは文字通り、地域の人の話を聞いてそれをその人の話したとおりに文字に起こすこと。
講師は、岐阜県立森林文化アカデミー原島幹典先生と、中津川市にあるNPO法人「山里文化研究所」の」清藤奈津子先生です。

 
人の話を聞いて記録するってなんか難しそうなことやなって思いますか?
実際、簡単なことではありません。
私もライティングの仕事というのは、基本的に取材テープのおこしから始まります。
テープをとってない場合は、記録したことの整理から始まり、全体の構成を考えます。
そのあと、だれもが読みやすいように表現を少し変えたり、削ったりして、体裁を整え、取材対象者の意図が正しく伝わるようにします。
もちろん、それにはコツがあるのですが、この講座では地元受講生の方々に
そこまで要求はしません。
 
そんなことしたら、受講生がいなくなっちゃうよ(^^;
 
地元受講生の皆さんには、まず、話し手さんのお話を聞いていただくことを第一に考えます。
実はいわゆる主観をいれずに、謙虚に人の話に耳を傾けるということは、たいへん難しいことなのです。ですので、まずはそれを心がけていただこうと思います。
 
文章に起こすことは今回は二の次。
もちろん、トライできる方はしてただいて構いません
 
今回は話し手さんとして
岩須地区の三輪秀雄さん
宮地区の伊藤みゆきさん
西山地区の川添幸雄さん
を御願いしました。
 
まず、岩須の秀雄さん
長年奥さんと二人でお茶農家さんをやってこられ、今もわずかながら御茶の製造を続けておられます。奥さんは、カミカジヤからお嫁に行かれた方で、うちも報恩講のたびに貴重な御茶をいただいてきました。
御茶を始められたのは秀雄さんのお父さん、上多良の古露園さんに修業に行かれ、のれん分けをしてもらったのだそうです。お父さんは当時の多良には珍しく粋人で、日本画家になりたかったそうなのですが、当時は家計も苦しく、修業半ばで夢をあきらめなければならなかったようです。それでも趣味で何枚も絵を描いておられ、おうちの玄関先にはおとうさんの絵が何枚も飾られています。
また、秀雄さんのうちのすぐ横は御所谷と呼ばれ、関ヶ原合戦の落ち武者が隠れ住み、風呂をもらいにきたとか・・今も、隠れ住んだという大岩は残っています。秀雄さんの家の前には見事なしだれ桜があり、春にはそれは綺麗な花を咲かせます。
秀雄さん自身も中学を卒業してすぐに、御茶の本場静岡に勉強に行かれたとのこと。
家のそばに茶工場があり、昔は手もみでされたそうです。
 
昔は岩須から西山に行く道があったそうですが、ゴルフ場ができたことで分断され、古道はなくなってしまいました。
 
宮の伊藤みゆきさん
昨年の「多良音頭」復活でも大変お世話になった方々のうちのひとりです。
多良で最も古い大神神社のほぼ前にあるおうちで、ご主人は自転車屋さんを営んでおられました。
以前、みゆきさんとお話していたとき、自転車がお嫁入り道具であったということを聴いて、とても感動したおぼえがあります。
車がなかった当時、自転車は庶民のかけがえのない足で、お嫁に行くときにもっていくほど、重宝なものとされていたんですね。
宮は江戸時代、高木三家の所在地であったこともあり、多良のかつての中心地。小中学校あり、役場もあり、郵便局もあり、旅館もあり、雑貨屋も何軒かあり、お豆腐屋さんもありで、多良のメインストリートでした。
 
西山の川添幸雄さん。
西山は屋敷・栃谷・延坂の三つからできていますが、その一つ、栃谷におすまいです。
以前は建築関係のお仕事をしておられましたが、今では薪割りを。炭焼きなどの山仕事もされたことがあるという、山村でうしなわれつつある知恵がいっぱいお聞きできるのではないかと楽しみにしております。
西山には前に紹介した桂の滝があります。
そろそろ綺麗に桂が色づくころではないかと思います。
多良で最も早く人が住みついた所ではないかと言われていることもあり、
地名辞典によれば、かつて湯(温泉)の出た所もあったようです。
 
このお三方の話を聞くことで、これまで知らなかった地域の姿が見えてくると思います。
そして、自ら語ることで、話し手さん自身ももっと元気になっていただけることと思います。
 
私自身、これまで何人かの方を取材して、その方々の人生の断片を文章化して世に出すことで、
とても喜んでいただけました。
それとよく似たことなのだろうと思うのです。
 
清藤先生は聞き書きについて次のように語っておられます。
 
聞き書きとは、人の生きてきた様を敬う活動
山里文化は、第二次大戦直後には忘れ去ることが美徳とすらされてきたようです。
しかし、環境が悪化し資源が底をつきそうなこれからの社会において、山里文化は再び必要とされ、山里資源は見直されるでしょう。
そこで、今、私たちは山里に生きる知恵や技術を記録し継承しなければなりません。
さらに、一つ一つの物事を分断して記録するのではなく、それを用いて生きてきた「人」の喜び、悲しみ、心のあり方や労働の意味といった、物事の背景に共通してある「懸命に生きる姿」こそをすくいあげることに私は意義を見出します。
民俗記録調査では拾えない山里の心を今こそ記録したい。聞き書きとは人の生きてきた様を敬う活動なのです。
それはまた、聞き手と話し手との協働で紡ぎ出される物語でもあります。
 
聞き書きの手法は地域づくりにも大いに有効です。
ぜひ、今回聞き書き講座を受講することで、
上石津のほかの地域でもいかしていっていただきたい。
これは農山村である上石津でしかできない活動なのです。
 
ただいま、受講生は2名。
開講するまでにまだひと月あります。
特に定員もありません。
皆様の受講をお待ちしております。
 
受講日は以下のとおりです。
第1回 11月12日(火)
第2回 12月10日(火)
第3回 1月21日(火)
すべて、終日です。
できれば3回通して受講していただきたいですが、なんといっても平日の昼間ですので、途中お休みいただくこともあるでしょう。
12月10日(火)午前中9時半~の清藤先生の「里山に聞く」のみの受講も可能です。
一人でも多くの方に聴講していただきたいです。
 
これらの受講料は、アカデミーの講義の一環として行っていただくので、無料です。
持ち物は
ノート・筆記用具・デジカメまたはカメラ付き携帯・録音できるもの(ICコーダーあるいはカセットなど)・場合に応じて昼食
 
多良地区の方にはまた回覧あるいは各戸配布でお知らせします。
よろしくね~!
他地域の方や、町外の方も受講お待ちしております。
お問い合わせは、上石津地域教育事務所
45-2652まで
 
あ、ところで昨日の岐阜新聞に私がのっちゃいました。
岐阜新聞のS記者、夜遅くまで自宅に来ていただき、取材を受けました。
やっぱり、取材されるより取材するほうがいいと思った私です(笑)
 
 
 
 
 
 
 

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