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2016年4月14日木曜日

故郷の昔の姿を知るということ


先日、ある方に思いがけない所でお会いすることができました。その時、その方の家の近くに文具屋さんと鍛冶屋さんがあったことを知りました。店があるということは地域に活気があるということ。商工業の発展はまちの発展に欠かせないものです。

しかしながら、昔の故郷の姿を知れば知るほど、かつてのメインストリートの衰退ぶりを嘆かざるをえません。時代の流れとはいえ、それが今のまちの衰退とリンクしているからです。
先日、そんな故郷の昔の姿を残したいと、30年ほど前に「多良の聞き歩き」を著された山口一易先生という方に会ってきました。現在は養老町在住で、御年も90歳に届きますが、とてもしっかりしておられ、昔の記憶も鮮明です。

その山口先生が書かれた「多良尋常高等小学校」の校歌の掛け軸を多良のカメラマンこと松岡貞夫さんが持っておられ、上多良の公民館にかけてあるのを拝見してきました。多良尋常高等小学校は、多良小学校の前身。国民学校になるまえの姿です。当時の校舎がどのように建っていたのかも松岡さんに教えていただきました。松岡さんは山口先生の教え子で8年ほど前に、山口先生から掛け軸を譲り受けられたそうです。一緒に写っておられるのは三輪重隆さん。語り部の松岡さんからいろいろお話を受け継いでおられる方です。

故郷の昔を知るというのは、懐古趣味ではなく、現在と未来の故郷を考えるうえで、とても大切なことだと思います。


山口先生


昔の尋常高等小学校の配置


三輪重隆さん(右)と松岡貞夫さん(左)

多良尋常高等小学校 校歌
1、     東に聳ゆる笙ヶ岳
西には気高き霊山の
清き流れの多良の川
互に仲よく朝夕に
学ぶ我等の幸の
深き恵を忘るなよ
2、     勅語の旨をかしこみて
有為の人とならむこそ
我が学舎の校訓ぞ
規律正しく熱心に
人には親切正直に
礼儀の花もうるはしく
3、     我等が胸に輝ける
赤き十字の誠もて
忠と孝と元として
本気になりて事をなし
力一ぱいやりとげよ
之ぞ我等が魂ぞ


      多良尋常高等小学校 沿革の概要

明治34年  4月 校舎新築に着手
       10月 校舎落成。祢宜上尋常小学校・上多良尋常小学校・西山簡易科小学校を統合し
            多良尋常高等小学校が誕生

明治41年  5月 中舎を二階建に改築落成。

大正 7年  3月 高等科修業年限を3カ年に延長。

昭和16年  4月 多良尋常高等小学校を多良国民学校と改称


掛け軸が見たい方は、上多良公民館長の重隆さんに御連絡を。



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