「子どもの声が響く上石津に」と題し、豊田市の足助町などでも移住・定住の取り組みに成果をあげておられる名古屋大学大学院環境研究科教授の高野雅夫博士のお話を聞きました。
それによれば、現在都市部に住む20代の若者のほぼ39%が農山漁村への定住願望があるといいます。(内閣府 「農山漁村に関する世論調査」2014年)しかしながら、実際に移住できるのは40年後だろうという希望的観測のもとで、移住はしたいけれど、今すぐには無理だろうと考えていることがわかりました。
岐阜県では2012年度に県や市町村の窓口を通じて移住が実現した人数は、478世帯1033人です。しかし、その市町村別の内訳まではわかりません。
愛知県豊田市では準限界集落での地域再生事業として、「日本再発進!若者よ いなかをめざそうプロジェクト」や「豊森なりわい塾」などの取り組みが行われており、公募によって決まった10人が空き家に住んで有機農業を学んだり、都市部と農村とのネットワークづくりが行われているといいます。
豊田市では中山間地域に存在する空き家を、賃貸及び売却を希望する所有者から物件情報の提供を求め、「空き家情報バンク」に登録し、移住を希望する人たちに提供するシステムが確立されています。
実はこれと同様の制度が、上石津町のおとなりである三重県いなべ市ではすでに始まっているのです。
もちろん、空き家の賃貸にはいろいろな問題が伴います。
・空き家はあるけれど、家主さんが貸してくれない。
・仏壇などの荷物が残っている。
・住んではいないが、小屋として活用している。
・見ず知らずの人には貸せない・
・相続がちゃんとなされていない。
・生まれ育った家の思い出があって手放せないなど・・
本当はIターン者を呼び込むのではなく、出て行った若者たちが戻って来てくれればそれが一番良いのですが、現実にはこれは非常に難しい問題です。
ならばどうすればいいのでしょうか?
やはりいなかに住みたいとの願望を持つ人々に来てもらって住み着いてもらうのが一番いいことだと思います。
高野先生のシミュレーションによると、年間10世帯が上石津に定住してくれることにより、2100年ごろまで小学校の児童数は300~400人で推移するそうです。真剣に取り組めば、不可能ではない数字ではないでしょうか。
ただ、それには地元の理解もいるし、受け入れ態勢をきちんとつくっていかなければなりません。そして、地域に入りたいという人たちも、覚悟が必要です。
まずは移住を希望する人が気軽に遊びにこれる宿泊施設を、4地区それぞれにつくっていくという取り組みも必要なのではないでしょうか?
次回の研修は2月12日です。
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