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2020年4月13日月曜日

西美濃の歴史と伝説 大久保甚一先生のこと

こんにちは。
今日は終日雨模様ですね。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
外出もなかなかままならない状況ですが、せめてブログで楽しんでいただけたらと思います。

さて、先日の土曜日、中日新聞の購読者の方は「HARINCO」という折り込みがはいってきたのにお気づきでしょうか?
毎月第2土曜日に発刊される中日新聞の購読者向けのフリーペーパーですが、現在、こちらで「西美濃の歴史と伝説」のページを担当させていただいています。
今月は伊吹山山麓に伝わる「伊吹酒呑童子」のお話について書かせていただきました。

素敵なきりえをいつも担当してくださってるのは、関ケ原出身の切り絵作家・吉田衣吹さんです。著作権の都合で全部載せられないのでお許しください。

酒呑童子はアニメやゲームのキャラクターになっているので、若い人も名前ぐらいはご存知でしょう。
私も子どもの頃に昔話で読んで、ずっと大江山の酒呑童子だと思っていました。
それが実は伊吹山説もあるということを知ったのは、揖斐川町の旧春日村の最奥・美束というところにある「春日森の文化博物館」を訪れた時でした。



それで今回も森の文化博物館に行こうと思っていたら、冬季休館。現在はコロナで休館になっており、とても困りました。
伝説はたんなる昔話ではなく、よりどころとするものがあります。
もちろん、解説本はけっこう出ているので、アマゾンとかで取り寄せることは可能ですが、
現地取材はどうしても必要でした。

春日の振興事務所には行きましたが、職員さんは3人しかおらず、ほとんどてがかりも得られなかったので、春日の香六というところにある故大久保甚一先生のお宅を訪ねることにしたのでした。

大久保先生は昔、多良小学校におられ、奥様の光子さんも多良第一保育園で先生が多良小におられる間、お勤めされていたそうです。
幸い、奥様はお元気でいらっしゃるので、甚一先生が残された膨大な蔵書を拝見することができました。

甚一先生のこと、覚えていらっしゃる方もあるのではと思います。
熱心な浄土真宗の信者で、郷土の歴史について研究されるかたわら、参議会(という国会で行ったら参議院みたいなもの)の議員もされていました。

3年ほど前に亡くなりましたが、あらためてご冥福をお祈りいたします。

春日は今では天空の茶畑として有名になりましたが、
もともとそれだけではない、森林文化資源の宝庫です。

伊吹酒呑童子の話は滋賀県がわにはたくさん伝承として残っているのですが、岐阜県側で伝わっているのは旧春日村のみ。
久瀬や藤橋、坂内は谷が違うため、酒呑童子に関しては伝わっていません。
それだけに岐阜県人としてはより貴重です。

また、酒呑童子の出生地としてはほかに越後説も有力です。
外道丸という美男の稚児がいて、のちのち鬼になって大江山に住み着いたとか。

あたりまえと思っていたお話は深堀すると、とても根が深く、いろいろな伝承であったり、民俗が複雑に入り組んでいて興味は尽きません。

ちなみに
京都の福知山市の大江山山麓には
日本の鬼の交流博物館」というものがあるそうです。
一度行ってみたいです。

酒呑童子を退治する源頼光の家来には
金太郎でおなじみの坂田金時や
鬼切丸で鬼の腕を切り落としたとされる渡辺綱も登場し、
豪華なキャスティングです。

紙面では限りがあってすべてを網羅することはできませんが、
ブログではその分、いろいろ書かせていただこうと思います。

伊吹山、通れるようにはなったようですが、コロナで山頂の売店はお休みのようです。
でも、高山植物が豊かで晴れた日には琵琶湖が見渡せる絶景。
登山道には修験道のなごりも残っているようなので、岐阜とか滋賀とかにとらわれず、
気候の良い時にはぜひ、登ってみてください。

地元の歴史や伝説に興味をもっていただけたら、とても嬉しいです。


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