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2018年12月20日木曜日

上石津地域公共交通に関する意見交換会

こんばんは。
昨晩は上石津地域事務所の2Fで「上石津地域公共交通に関する意見交換会」が行われました。

ご存知のように、大垣駅からは「多良・時」行きのバスが走っていますが、近年は利用者が少なく、大幅な赤字路線になっており、ほかの路線同様、市から援助が出ており、その額は約4650万円。これは大垣市全体のバス運行にかかる市の負担額約1億2000万円のうちの3分の1近くにのぼっており、利用者一人当たりにかかる費用は市全体と比較して約13倍になっているそうです。

そこで市としては少しでも負担額を軽減しつつ、地域が必要とするサービスを把握し、持続可能な公共交通を構築していきたいとのことで、先だって上石津地域の全世帯を対象とした公共交通に関するアンケート調査を実施。回収率は59.9%でした。
その結果、1日あたりの利用者数は平日20~30人程度、土日は15~20人程度となっています。
バスの利用目的としては、通院・通勤・娯楽・帰宅・通学・買物などがあげられます。
1日あたりの利用者数は平日は10人程度、土日は数人だったそうです。

一方コミュバスの利用に関しては、1日10~20人程度が利用。
牧田・多良コースはおもに悠楽苑に行くための移動手段として、時コースは悠楽苑・みどり接骨院・時山改善センターへの移動手段として利用されています。上石津診療所への移動手段にしている方もあります。

通勤・通学に関しては、最も良く利用されている最寄りの駅は関ケ原駅。
ただし、90%の人は通勤の目的地までは車移動です。
通学に関しては、車で送迎してもらって電車移動する人が全体の46パーセントを占めていました。これは高校なのか大学なのかによっても違うでしょうね。

目的はともかく、バス利用に関しては6~8割の人が「サービスが改善してもバスを利用することはない」と回答していたそうです。
また、通学者のいる家庭では運賃が安くなる、運行本数が改善されたならバスを利用したいと答える人の割合が高くなっています。

また、バスで行きたい施設のトップ5は、多良地区では大垣市民病院・ザビッグ養老店・JR大垣駅・西美濃厚生病院・JR関ケ原駅となっており、上石津4地区ではいずれも病院。最寄りの駅、ザビッグ養老店が上位に入っていました。通院、通学、買い物にバスを利用する人が多く、高齢者の利用が多いためだと思われます。

上石津地域のバスの運行に対する考え方を見ると、「運行方法の見直し等を行い、市の費用負担を減らすべき」とする考え方が最も多くなっています。

上石津地域にとって最も必要だと思う公共交通サービスの取組は、「デマンドバスを導入するなど、新たな公共交通サービスを検討する」といった回答が最も多くなっています。
ちなみにデマンドバスというのはオンデマンドバスとも呼ばれ、決まった路線を走るのではなく、利用者が自宅や路上からバスを呼び出して利用するというもので、利用にはあらかじめ登録する必要があります。幹線道路から外れた所まで運行できるという利便性があるものの、コンパクトなバスで運行するため、利用者が集中すると乗車できないこともあります。

こうしたアンケート結果を踏まえ、再構築に対する大垣市の基本点きな考え方としては、
●大垣・多良線を事実上廃止。蛇持から大垣駅までの運行とする。
●これまで関ケ原駅までは直通のバスはなく、牧田上野で乗り換えだったが、時から関ケ原駅までの関ケ原・多良線を新設する。
●コミュバスの運行経路を5コースに増設(デマンドバスの運行は地形の起伏が激しい
上石津地域では難しい)
●養老町のデマンドバスの停留所を牧田・上野や悠楽苑に設置できるよう、養老町と調整する。
ということが、市から提案されました。






これに対し、説明会に参加した住民からは
・便数が減って乗り継ぎが多くなると利用者は増えない・
・高齢化がますます進む現状で、これだけ乗り継ぎが増えると利用者は増えないのではないか。
・時~関ケ原線の本数が極端に少ない(朝1本 夕方2本)。本数がある程度ないと、利用者は増えない。
・通勤定期は安くなるのに、なぜ通学定期は高くなるのか。
・時刻表をみると、路線バスとコミュバスが連結していない。
・予算を削減するのではなく、今の予算枠の中でいかに利用者を増やしていくかが課題
・高齢者に対してこの路線は優しくない。関ヶ原駅はエスカレーターがないので、高齢者は階段の昇り降りが大変
・なぜ、上石津地域ではデマンドバスの運行が難しいのか。
・新路線では関ケ原病院や西美濃厚生病院まで行く路線の提案はされているが、運行本数からすると数時間同じ場所に滞在しなければならないことになり、現実的でない。
・市の予算以上に利用者負担が大きい
・観光客にとっても不便
・予算の削減ばかりで、使い勝手の悪いバスをどうやったら使い勝手がよくできるか、また利用してくださいというばかりで、本数を増やすとか運賃の改定などアンケートの回答にあったような住民の希望にまったく答えていない。
といった意見が出されました。

市としてはこれを受け、来年度にまた意見交換会を持つそうです。

ここからは私見です。
 私も高校時代は多良時行きのバスを利用して、通っていました。
東校でしたので、寺内町の停留所で降りて学校まで歩いていました。
当時はバスを利用していた高校生はとても多かったのです。
私は親に学校まで送ってもらったおぼえはありませんし、ほかの子もそうでした。
なぜか、今考えてみると、途中にも高校があったからです。
近いせいもあって、養老女子商業に通っている上石津の女の子はとても多かったですね。
バスで大垣工業や大垣農業高校に通っていた子もいたのではないかと思います。
当時の運賃は下多良から大垣まで350円だったと思います。
途中からは牧田上野で乗り換えて、関ケ原駅までバスで行って、電車で行く方法に切り替えました。

なので、関ケ原線ができることにあまり違和感は感じませんが、今回の提案では事実上、多良時行きは廃止になるので、関ケ原までの本数はもっとなければいけないはずなのに、朝1本、夕方(帰宅時)2本しかありません。昼間のバスはまったくないのです。

しかも、大垣にバスで行く場合は悠楽苑から養老町のデマンドバスで蛇持まで行ってそこで乗り継ぐことになるのですが、これも本数が限られており、ヘタをすればバス停でえんえんと数時間も待たなければならないことになります。
しかも乗り換えがめんどくさい。
私たちでさえ、バスの時刻表を見るのがめんどくさいのに、お年寄りはもっとめんどくさいと思うでしょう。

ここで、私が高校生のころ、なぜバス通学が多かったか、利用者が多かったかということを私なりに考えてみたいと思います。
さっきもいいましたが、沿線にバスを利用して行ける高校があった(たとえば養老女子商業高校)のは大きいと思います。ところが、学校統合の結果、養老女子は廃校に。
もう一つはライフスタイルの変化です。
今の高校生はとても忙しい。
部活に塾に習い事など・・決まった時間に決まった路線でしか動かないバスでは対応しきれなくなり、結果、親の送迎か近隣なら自転車になっています。これはいたしかたのないことでしょう。

税金を投入しているわけだから、決められたバスの運行時間に合わせてくださいという発言が市の側から何度もあったように思いますが、正直、聞いていて頭が痛くなってきました。それでは住民サービスも何もあったものではありません。本数も少なくなり、しかも運賃はたいして変わらず、市はお金を出せないのでここから先は養老町のデマンドバスを利用してくださいという、市にとって都合のいい話にしか聞こえないのです。

もう一つ、これはほかの方の意見にもありましたが、路線バスは観光の一つの手段でもあります。事実、郷土資料館に来られる方は路線バスを利用してくる人も多いようです。私も先だって、名古屋から上石津に公共交通機関でくるには大垣駅からどうすればいいのかと聞かれたばかりです。

地域住民のアシとして、あるいは観光の手段として、もっと柔軟に考えて行けば、100%とはいかないまでも、もっと良い提案ができるように思います。
それにバスもないような所、いくら移住・定住と頑張ってみたところで人は来ないでしょう。

都会でみんなが公共交通機関を利用するのは、バスや電車が数分おきに確実に来ることがわかっていること、そして料金が安いからです。
上石津でみんながバスに乗らなくなったのは、本数が少なく利便性が悪い、料金が高いから、というのが定着しているせいもあると思います。どうしたらそれを払拭できるかは、はじめに予算の削減ありきではなく、本当に住民の声に耳を傾けるかによるのではないでしょうか。

岐阜県のようにほとんどの人が自家用車を所有している所では、公共交通のあり方自体が曲がり角にきているのかもしれません。メジャーではなく、もっとミニマムに、かつシンプルに考えることはできないでしょうか。

次回の意見交換会に期待したいです。


疲れたので、これ以上書くのはやめます・・
私たちももっと勉強しましょう。







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